飲食店の採用ノウハウ!バイト・社員の効果的な求人募集

飲食店オーナーの頭を悩ませる、バイト・社員などの人材採用。
年々働き手が減り続けることを考えると、さらにスタッフ獲得競争の厳しさが増していくことは間違いありません。

店舗物件を契約し、内装工事でお店ができても、お店を運営する人材がそろわなければオープンを迎えられません。

「タウンワーク、クックビズ、バイトル、アン、マイナビ、indeed、フロム・エー、求人@飲食店.com、ハローワークなど…目についた媒体に載せるだけ」

そんなことになっていませんか?
他店より時給などの条件を良くするだけで採用ができるとも限りません。

現在は飲食店の有効求人倍率は4倍と言われています。これはスタッフひとりに対して、4店舗が募集をかけている状態。優秀なスタッフを獲得するには、それ以上の激しい競争になります。

となると、飲食店の採用にはしっかりとした”戦略”が必要。

あなたのお店では、まわりの4店舗中もっとも上手に、スタッフ採用ができる自信はありますか?
少なくとも上位25%に入るような上手な求人を行わないと、まともにバイト採用もできない時代なのです。

ひとりあたりの採用コストを抑え、かつ現場で活躍する人材を採用できる。そんな効果的な募集方法を知っておき、スタッフ採用を成功させましょう。

実例として、小さな飲食店のオーナーが自店でどのように採用を行ったか実例も盛り込み解説していきます。

採用活動前の、外せない下準備

まず最初に考えなければならないのは、採用する人材の人数と条件です。
求める人材によって効果的な募集方法は異なります。

正社員なのか、アルバイトなのか。
長期雇用ではなく、オープニングの一時的なタイミングでスタッフが必要なのか。

採用する人数・条件を固めましょう。

必要な人数をシフト表から考える

坪数・席数や階数など、お店によって必要なスタッフ人数は異なります。

ひとりで運営するなら、16席ほどの店が限界です。16席以下であってもピーク時には手が足りなくなる可能性も。お客様の入り方やオペレーションの手間などを考え、必要なスタッフ数の目安を把握しましょう。

一般的な飲食店の、客席数に応じた必要人数の目安は以下になります。

座席16席未満は、目安店主1名のみか店主+アルバイト1名。座席17~29席は、店主+アルバイト数人か、店主+社員1名+アルバイト数人。30~60席は、店主+社員1,2名+アルバイト数人

席数だけでなく、注意すべきはお店のレイアウト。
同じような業態でも、お店のレイアウトによって必要人数は異なります

例えば、クローズドキッチン(客席から厨房が見えないレイアウト)では、お客さんが少ない時間であっても、フロアに1名、キッチンに1名、最低でも計2名のスタッフが必要。
一方、カウンター席のみであれば、ホール・キッチン両方の業務をひとりでこなすことができます。

お店を運営するのに、何人のスタッフが必要か。
ご自身のお店・業態・運営スタイルに合わせて考えてみましょう。

そこで役立つのがシフト表です。
ピークタイムを踏まえ、どの時間に、どのポジションのスタッフに何人必要か?というシフト体制を明らかにしていきます。

各ポジションの必要な労働時間が明らかになればおのずと、1スタッフ当たりの勤務時間の目安も、必要なスタッフの人数がわかります。

飲食店シフト表は無料ツールを用意していますので、よろしければご活用ください。


▼無料ダウンロード「飲食店シフト表」

適正な人数・人件費か、事業計画書で確認

飲食店のFLコストの目安は60%。

それぞれの適正範囲は以下の通り。
F(原価)は25%~45%、L(人件費)は15~25%。
※業態によって、FL比率は上下します。

事業計画書もこのような比率をベースになっているはず。
「売上・人件費」が適正なバランスかどうか、シフト表で考えた体制をチェックしましょう。

シフト表で考えた必要人員(人件費)と、事業計画で算定した人員(人件費)を比べます。
前者が上回っている場合、シフトもしくは事業計画いずれかの見直しが必要です。

求める人材像に合わせて募集方法を選ぶ

採用するフタッフの人数と条件に合わせて、募集方法を選んでいきます。

① 人材紹介会社 (人材紹介・紹介予定派遣)

店長や店長候補、料理長など、優秀(有能)なスタッフを採用するのに向いていますが、紹介料(採用人材の年収の25~35%程度)など、多額のコストが掛かるのが難点。

紹介予定派遣とは、まずは派遣スタッフとして勤務してもらって、その後正式に採用するか否かを決める方法。正式雇用前に、勤務態度を確認できるのが利点です。

② 求人媒体

紙媒体、ウェブ媒体を含め、沢山の求人媒体があります。
正社員からアルバイト、パートまで、幅広く募集を行うことができます。飲食店に専門特化した求人媒体もありますので、それぞれの媒体の特徴、強み、料金などをしっかり確認した上で、自店に合った媒体を選ぶようにしましょう。
利用料については、固定料金型、従量課金型、完全成功報酬型など、さまざまなプランがあります。

タウンワークオンラインの価格9000~18000円、期間2~4週間。バイトルの価格30000円~、期間1週間~。anの価格9000円~(地域で異なる)、期間1週間~。フロム・エー ナビの価格20000円~、期間1週間~。求人@飲食店.COMの価格19800円、期間30日間

③ ハローワーク(公共職業安定所)

公共サービスのため、コストが掛からないのが大きな利点です。
一般的に、人材紹介に比べると、希望通りのスタッフを見つけるのが難しいと言われています。(地域や時期によっても異なります。)
年齢層が高くなりがち、無料ゆえに求人数が多く自店の求人情報が埋もれてしまうなどの課題があります。

④ 自店で独自に募集

自店の軒先やホームページで募集する方法。
コストがあまりかからず、通勤しやすい近隣住民や、来店客にアピールできます。

実際に来店したことのある方からの募集は、お店の雰囲気なども分かっているため採用のミスマッチが起こりにくいこともメリット。

ただし広範囲に告知することができず、応募数が限られてしまいます。
他の求人方法と併用することをおすすめします。

物件契約が済み、内装工事がスタートしたら、お店の前に求人の貼り紙(スタッフ急募!など)を貼っておくと良いでしょう。特にオープニングスタッフは反応が取りやすいこともあり、必ず行うべき施策です。

⑤ 従業員から紹介(友人紹介)

従業員(アルバイト・パート)に友達を紹介してもらう方法です。
知り合いが既に働いているため、紹介を受けた方も安心して応募することができます。

すかいらーくは友人紹介制度に積極的に取り組む企業。
採用する人材の4人に1人がこの制度での採用です。
紹介した人、紹介を受けた人にそれぞれに5000円の食事券を入社祝いとしてプレゼントしています。

紹介料の支払いを入社時ではなく、勤務を一定期間継続した後に定めている場合も。
HUBでは、2ヵ月・6ヵ月継続勤務で各10,000円を紹介した従業員に支給。

広告掲載より低コストで採用できる一方、1つ注意が。
それは、「友人にすすめたい」と従業員が思えるような勤務環境かどうか。
働きやすいお店づくりができていないと、この制度がそもそも成り立ちません。

⑥ 人材派遣サービス

臨時的にスタッフが必要な場合には、人材派遣サービスを利用するという手もあります。
正規採用にくらべると少し割高になってしまいますが、必要な時に人手を借りられるのはありがたいサービスです。

人材に求める条件により価格が異なります。(4時間5000円~20000円)
調理師やソムリエなど業務の専門性が高いほど費用がかかります。

オープン時だけ経験豊富・優秀な人材に、派遣スタッフとして来てもらい、自店で正規雇用したスタッフは時間をかけて育成するなど、上手く使い分けると良いでしょう。

募集~採用までを効率よく行う

人材採用の一連の流れは以下の通り。

(1)募集媒体の選定 : 採用する人材の条件から媒体を選定
(2)広告出稿 : 選んだ媒体へ広告を出して求人を開始
(3)応募者対応:求人を見た応募者を次のステップへ誘導
(4)書類審査 ・面接: 応募者を審査をし、採用するかどうか決める

先ほどお話しした、募集媒体選びは人材採用のあくまで入り口。良いスタッフを確保するためには、この後どんな対応を行うかが重要です。

求人広告出稿のポイント

一番目立つ部分、キャッチコピーには特に力を入れてください。
週2日~・短時間でもOK、まかない無料など、働く方にとって魅力的なことを打ち出しましょう。しかしこれだけでは他の飲食店と横並びになってしまいます。

ターゲットにもよりますが、応募者に喜ばれるキャッチコピーの事例をひとつ紹介します。
それは「お金をもらいながら学べる」ということ。
例えば、「魚がさばける」「ソムリエと一緒に働ける」など。

もし、すでに従業員がいるようなら、「どんな理由でこの店で働くことに決めたのか」聞いてみましょう。
その人が応募したときに響いた部分・不安に思っていた部分などをヒアリングし、そこから募集文面を作り上げていくことをオススメします。

条件面は他社と比較検討されることをお忘れなく。
同業種・同地域の募集条件を調査しておきましょう。

ただし条件と言っても、時給などの給与面だけではありません。
シフトに融通が効くか、交通費はいくらまで支給されるか、まかないは出るのか、独立支援の仕組みはあるのか、などなど。

他店を大きく超える条件を提示する必要はありませんが、自店の条件が他店に比べて劣った部分がないか、応募者の立場でチェックしていてください。

応募者に確実に面接に来てもらうために

せっかく応募を獲得しても、面接までいたらない場合があります。

・別のお店で決まってしまった
・応募時の対応が悪かった
・面接に行くのが面倒になった

せっかく応募の問い合わせを獲得しておいて、こんなにもったいないことはありません。
迅速に・丁寧な応募者対応を心がけ、問い合わせを面接に繋げていきましょう。

スピード感を大切に!連絡は早ければ早いほど良い

応募者はあなたのお店だけでなく2,3社に並行して応募していることは当たり前。いち早くアプローチすることが有利に働きます。
できれば応募があった直後、少なくともその日中に、面接日について連絡を入れましょう。

応募対応は丁寧に。お店での接客と同じ

働きやすいお店かどうか、応募者は不安に思っています。
「応募者も店を選んでいる」という意識をもって対応することが大切です。

ピークタイムで忙しいなどの何かしら事情があったとしても、問合せの電話をぞんざいに扱われたら、応募者はどう思うでしょうか?

自分がその店で働いた時に同様の対応をされるのだろうかと想像してしまい、面接を辞退されてもおかしくありません。

履歴書なしで応募・面接ができるようにする

面接に行く準備として求められる履歴書。これが余計なハードルになってしまうケースも。
まずは面接来てもらうことを優先し、履歴書なしで応募できることを明記することをおすすめします。

実際はお店に来てもらってから「事前アンケート」として履歴書に近い内容を10〜15分ほどで書いてもらって面接に入れば支障はありません。

「人材採用、実際はどうやった?」飲食店の実例

独立開業の飲食店オーナーお二人に人材採用について、自店で取り組んだ採用活動についてお聞きしました。

親族や気の知れた仲間でスタッフを固めて良かった

日吉・『飯場 松の葉』

日吉にオープンした「飯場 松の葉」は炊き立てのご飯と出汁から作るお味噌汁、和のおかずにこだわる和食店です。

オーナーは元・広告代理店キャリアウーマンの松本さん。
人材は募集は行わず、身内で固めました。

サラリーマン時代の経験から、人材採用や人材育成の大変さはイヤというほど分かっていたからです。
オープニングスタッフは親族や気の知れた仲間(サラリーマン時代の同僚や料理教室で知り合った講師仲間)で固めよう、と決めていました。

事業を始めてみて、この判断は大正解だと実感したそう。

スタッフを身内で固めておいて本当に良かった。もしそうでなかったら、、、と思うとゾッとします。

自分のことだけでも精一杯なのに、それに加えてスタッフのトレーニングやケアをしなければならないような状況だったら、とっくに心が折れていたと思います。

今働いてもらっているスタッフは、このお店を「自分達で作ったお店」「自分達のお店」と考えて、動いてくれるんです。

わたしが指示しなくても、お店の前をキレイに掃除してくれたり、新たなチラシを考えてくれたり、お客さんが少ない時には自主的に早めに上がってくれたり…本当にありがたく思っています!

前向きに頑張れるのも、一緒に働いてくれるスタッフや応援してくれる家族のおかげです。

飯場 松の葉の詳細記事を確認したい方はこちらからご覧いただけます。
広告代理店キャリアウーマンが和食店で起業!そのしなやかな出店戦略を紐解く【飯場 松の葉】

お店に理解があるスタッフをSNSで採用

高幡不動『Cafe De Dango(カフェ デ ダンゴ)』

高幡不動にある『Cafe De Dango(カフェ デ ダンゴ)』
日本中の団子を食べ歩いた山田オーナーが、高幡不動尊の参道商店街にオープンした団子カフェ。

『Cafe De Dango』は高幡不動駅から高幡不動尊へ参拝客が多く行き交う導線上にありますが、オフシーズンでは参拝客が激減します。

そこで『Cafe De Dango』は大胆な作戦に取り組みます。
それは、「人通りの少ない時間帯は、ムリせず店を閉める。」

店主1人でまわす店であれば人件費を気にする必要はありませんが、従業員がいると話は別。
出勤してくれているスタッフさんに早帰りしてもらうことになり、大きな負担に。退職の原因になりかねません。

Cafe De Dangoも通常は複数人のシフトを組んでいます。
法事などの影響で突然満席になることもあるため、常に少なめの人員で営業するのはリスクがあるためです。

Cafe De Dangoが大胆な作戦をとれるのは、スタッフの理解があってこそ。では、そのような人材を獲得できたのは、教育ではなく募集の方法に秘密がありました。

アルバイト募集媒体を使わず「自店で募集したこと」が、功を奏しています。

anでもタウンワークでもバイトルでも、一般的なアルバイト情報誌・ウェブサイトを思い浮かべてください。

ひとつの店の採用募集スペースは本当に狭く(情報誌なら7センチ×4センチ)、多くの募集が横並び。お店の内容などあまり知ることなく、時給やアクセスの「条件をパット見比べて応募」しているに過ぎません。

Cafe De Dangoでは4枚に渡る募集要項を作成。雇用のズレがないように以下のような工夫がされています。

・早上がりがあると明記
・営業時間が不規則な理由を説明
・どんな職場か雰囲気も記載


https://twitter.com/CafeDeDango/status/866288009590722560?ref_src=twsrc%5Etfw

Cafe De Dangoの詳細記事を確認したい方はこちらからご覧いただけます。
カフェ経営は「環境適応」が正しい戦略だ。【団子と珈琲のカフェ Cafe De Dango】

人材採用・マネジメントのお役立ちツール(無料ダウロード)


採用基準表

自社(自店)で採用したい人物像を明確にするためのツールです。人柄、スキル、経歴など、さまざまな視点で検討していきましょう。


飲食店シフト表

店長、社員、アルバイトのシフト体制を組んだり、そこから必要な人員数を割り出す際に使用するツールです。人件費についても、概算で計算することが可能です。

こんな記事も読まれています

飲食店の適切な原価率は?計算方法とコントロールのコツ

飲食店アルバイト・スタッフの人材育成方法

飲食店のレセプション・プレオープン【招待状ひな型】

ページの先頭へ

無料相談

開業セミナー

無料ツール